形が在る。音が在る。臭いが在る。感触が在る。
快感が在る。不快感が在る。
動かなくなった。
私、が居る。
次は、何をしようか。
辛い。何をすれば良いんだ?
良い、とは何か?
「死者を哀れむではない、ハリー。生きている者を哀れむのじゃ。とくに愛なくして生きている者たちを。きみが帰ることで、傷つけられる人間や、引き裂かれる家族の数を少なくすることができるかもしれぬ。それがきみにとって、価値ある目標と思えるのなら、我々はひとまず別れを告げることとしよう」
死と向き合うと、鬱という、生とは逆ベクトルの力を受ける。
「死というこの宿命の破滅的な照明を浴びると、無益という感情があらわれる。」